出っ歯は日本人に多い不正咬合のひとつです。一般的には出っ歯と言われますが、歯科での診断では上顎前突(じょうがくぜんとつ)と言います。

なぜ日本人に出っ歯の人が多いのでしょうか?

これは欧米人と頭や顔の骨格がちがっているからです。欧米人と較べると、日本人は上顎の骨格のアーチが縦長なのです。そのため戦前の日本では出っ歯の人が多かった、と言われています。

現代では日本人の上顎の骨格アーチが欧米人に近くなってきているため、出っ歯の人は減っています。それに伴って「出っ歯が目立つ」「からかわれる」「ガミースマイルになってしまう」など、出っ歯が気になる方が増えてきました。

出っ歯のタイプ

出っ歯は一般的に大きく3つのタイプに分けられます。

  1. 上顎の骨が大きくて顎ごと前に出ている(先天的)
  2. 下顎の骨が小さすぎて、下の歯が奥に入って上の歯が前に出ている(先天的)
  3. 顎の大きさは問題なく、前歯が前に出ている(後天的)

骨格などが原因の先天的(生まれつき)な出っ歯と、舌で前歯を押すなど日常のクセが原因の後天的な出っ歯があります。

出っ歯の原因

出っ歯の原因は、上のタイプで書いているように先天的(生まれつき)と日常の癖などによる後天的なものがあります。

  1. 遺伝(先天的)
    • 骨格
    • 歯が大きい
  2. 舌の癖(後天的)
    • 舌を突き出す
    • 舌で前歯を押す
  3. 日常の癖(後天的)
    • おしゃぶりの長期間使用
    • 指しゃぶり
    • 口呼吸
    • ほおづえ
    • 爪を噛む
    • 下唇を前歯で噛む
  4. 歯並びの問題(後天的)
    • 親知らずで歯列が前のほうに押し出される
    • 歯周病などが原因で歯が抜けて前方に歯が動いてしまった

出っ歯はちょっと出てるかな?という軽度のものから、重度のものまで症状は人それぞれ違っています。

接触が多いスポーツをしている方に多いのですが、出っ歯の場合、何かにぶつかったときに前歯が折れてしまうリスクが高くなります。また、出っ歯がひどくなると口が閉じづらいため、口呼吸が癖になったり、口腔内が乾燥するため口臭や歯周病になったりするリスクもあがります。

そしてなんといってもやはり審美面です。出っ歯を治すことで、横から見たときの見た目が変わるメリットが大きいです。

矯正治療で変わる!横顔を美しく

美しい顔の条件として重要と言われる「Eライン」。

Eライン(エステティックライン)とは、横顔で鼻骨の先と顎骨の先を直線で結んだ線のことです。

上下唇がEラインよりも少し内側にある口元が理想的で、横顔美人と言われています。

ちなみにEラインは、キャラクターイラストなどの横顔をデッサンするときの基準にもなっています。

出っ歯(上顎前突)でよくあるお悩みでは「口ゴボ」と「ガミースマイル」があります。

「口ゴボ」は理想のEラインからお口周りが突き出てしまいます。
また「ガミースマイル」は笑顔のとき歯茎が見えてしまうのが気になって、「思いきり笑えない」と悩んでいる方もいらっしゃいます。

そのため就活や婚活など見た目が特に気になる、10代後半~30代の男性・女性問わず、ご相談いただくことが多いお悩みです。

口ゴボ

口ゴボ(くちごぼ)とは、横顔を見たときに口元が盛り上がっている状態のことを言います。

理想的なEラインから、「上顎が出ている」「上下の顎が出ている」「下顎が引っ込んでいる」のタイプに分かれます。

「上顎が出ている」タイプの口ゴボは、出っ歯が原因であることが多いです。

ガミースマイル

ガミースマイルとは、笑ったときに歯茎が見えすぎてしまう状態のことを言います。
骨格の大きさや歯の大きさ、歯並び、唇やお口まわりの筋肉などが影響してガミースマイルになってしまいます。

出っ歯はガミースマイルになってしまう原因のひとつです。
笑顔になったとき、出っ歯のために上唇が押し上げられて、歯茎が大きく露出します。

出っ歯のタイプと原因、お悩み、理想の横顔ラインによって出っ歯の矯正治療の方法は変わります。
骨格や生活習慣を見ていく精密な検査と診察で判断する必要があります。

\初回相談無料
無料カウンセリング
まずはお気軽にご相談ください。

出っ歯を治す矯正治療の方法

出っ歯を治す矯正治療の方法は、大人と子どもで大きく変わります。

骨格が成長する段階にいる子どもは、成長を利用して出っ歯の矯正治療を行います。一方で大人の出っ歯は、歯と骨格を動かして矯正治療を行います。

出っ歯のタイプと原因がどこにあるのか、まず詳細に骨格から検査していきます。

大人の出っ歯の場合、小臼歯(出っ歯になっている前歯と奥歯の中間の歯)を抜歯して、空いたスペースに前歯を歯列矯正で引っ込める方法をとることが多いです。骨格が原因である場合には外科手術を行うこともあります。

その後、歯にブラケットとワイヤーを取り付ける表側矯正治療・裏側矯正治療マウスピース型矯正のいずれかで、ゆっくりと歯を動かしていきます。

詳しくは「治療の流れ」のページをご覧ください。

出っ歯の原因が「前歯を舌で押す」「前歯の間に舌を突き出す」といった後天的な舌の癖である方の場合、裏側矯正治療が向いているかもしれません。矯正装置が歯の裏についているため、矯正治療中に舌の癖が治ることもあります。

悩みの種である出っ歯を治すために、健康で歯並びにも問題がない歯を抜くことに抵抗感がある患者さまもいらっしゃいます。

ささくら矯正歯科クリニックは、公益社団法人日本矯正歯科学会認定医・指導医・臨床指導医である医師が診療を行っています。
甲北信越矯正歯科学会にも所属しており、地元・新潟県で学術研究、矯正臨床、情報交換を行っているため、最新の情報を常に持ち合わせています。

精密な検査と患者さまの習慣やご要望をしっかりとお聞きしたうえで、患者さまにとって出っ歯を治す最適な治療法は何かを考えご提案いたします。