インビザラインとは、透明に近いマウスピース型の矯正装置の一つで、マウスピース型矯正を行う際に利用されます。
世界に1,200万人以上の患者がいる、最も治療実績のあるマウスピース型矯正の装置です。日本のクリニックで提供されているマウスピース型矯正もインビザラインであることが多く、マウスピース型矯正の別称として使われていることも少なくありません。
2種類のインビザライン
インビザラインには
- Invisalign system(以下、文中でインビザライン・システム)
- Invisalign Go system(以下、文中でインビザラインGo)
と呼ばれる2種類の矯正装置があります。
それぞれの違いは次の通りです。
Invisalign system (インビザライン・システム) | Invisalign Go system (インビザライン ゴー システム) | |
---|---|---|
治療できる医師 | 矯正治療の専門医 | 矯正を専門としない一般の歯科医 |
対象 | 軽度から重度まで、広い症例に対応 | 軽度のものが中心 |
相場 | 80~100万円 | 30~50万円 |
範囲 | 歯列全体 | 前歯部 |
噛み合わせ | 噛み合わせの改善が可能 | 前歯のみなので改善は難しい |
インビザラインGoは、費用は安く済みますが、前歯部のみの軽度な矯正治療しか対応できません。
- 前歯部以外のところも矯正したい
- 歯並び、噛み合わせの状態がかなり悪い
という方は、インビザライン・システムの治療を受けるのが望ましいです。
インビザライン・システムの治療ができるのは、矯正治療の専門医のうち、インビザラインのライセンスを取得した歯科医師に限られます。
当院では、インビザライン・システムのライセンスを持った矯正治療の専門医が担当いたしますので、安心してインビザラインによる治療をお受けいただけます。
インビザラインの特徴(他のマウスピース型矯正との違い)
マウスピース型矯正ではインビザライン以外にも「アソアライナー」や「クリアアライナー」などの矯正装置が使われる場合があります。他のマウスピース型矯正と比較した時のインビザラインの特徴をまとめると次の通りです。
- 治療実績→大きい。世界に1,200万人以上の患者数。
- 費用
インビザライン・システムは高め。インビザラインGoは安め。 - 適応症例
インビザライン・システムは多い。軽度の症状から重度のものまで幅広く対応。インビザラインGoは、前歯部の軽度の症例のみ対応。 - 歯型の採取
最初の1回+状況に応じて。他のマウスピース型矯正は、治療中、2週間~1ヶ月に1回作る必要がある。 - 通院回数
2,3ヶ月に1回程度と少ない。毎月歯型を採取するマウスピース型矯正は毎月通院が必要。
インビザラインのメリット・デメリット・向いている人
インビザラインによる治療の主なメリット・デメリットをまとめました。他のマウスピース型矯正にも共通して確認できるメリット・デメリットと、インビザライン特有のものがあります。
メリット
- 症例数が多いので、インビザラインの治療に対応できる医師が多い。ノウハウが蓄積されている。(引越しなどで医院を変える場合に引き継ぎがスムーズ)
- 歯形を取る回数が少なくて済む。通院回数も少なくて済む。
- 矯正装置が目立たない(30cm以上離れるとほとんど見えない)
- 矯正装置をいつでも取り外せる(食事や歯磨きのストレスがない)
- 他の矯正治療と比べ、治療期間は短く通院回数も少ない
- 歯周病や虫歯になりにくい
- 装置が薄いため、舌などへの痛みが少ない
- ニッケルなどの金属アレルギーの方でも利用できる
- 吹奏楽を演奏できる
- 選手同士が接触するスポーツもできる
デメリット
- 長時間(1日20時間)、歯に装着する必要がある取り外せるため自己管理が必要 ※食事や歯磨き以外は使用する必要がある
- 症状によっては治療できないケースもある
- 高い技術が必要のため料金が割高になる
- 治療の進行に合わせ新しいプレート作成が必要となる
- 矯正治療をインビザラインでしか治療したことがない医師の場合、他の矯正治療法でフォローできない(当院では経験豊富な矯正医が担当します。そのため、万が一、治療が計画通りに進行しなかった場合でも、他の治療法で歯並びを治療することが可能です)
インビザラインによる治療は多くの症例に対応できる特徴があります。中でも、インビザラインが向いているケースをあげると次の通りです。
- 抜歯をしなくても矯正治療できるケース
- 抜歯が必要なケースで、平行移動が必要ないケース
- マウスピースを毎日20時間つけられるケース
- 歯の重なり具合が6mm~10mm程度のケース
インビザラインの治療費(目安)
治療費の目安は、Invisalign system(インビザライン・システム)でおよそ80万円~100万円と考えていただければと思います。
インビザラインの装置自体の料金に加え、
- 検査診断
- だ液検査
- 調整料・経過観察料
- 保定装置療
などの費用がかかります。
それぞれの症状、治療方法、治療する部位、治療装置などによってかかる費用は異なりますので、面談や検査時に希望の装置などを相談の上、決定する形になります。詳しい料金については「治療費」のページをご確認ください。
症状によっては医療費控除(参照:医療費控除の対象となる歯の治療費の具体例/国税庁)を活用し、実質のご負担額を抑えられるケースもあります。
審美目的の費用ではご活用いただけませんが、病気として診断される場合には医療費控除ができるかもしれません。
詳しくは当クリニックにお気軽にご相談ください。