大人の矯正治療

はじめに

矯正治療は装置が目立つため子供のうちしか出来ない…というイメージの方も多いと思います。

矯正治療と言えば、ワイヤー矯正を歯の表側に取り付ける表側矯正治療のイメージが強いのですが、「目立たない矯正治療」装置も多く使われるようになってきました。
そのため大人になってから矯正治療をされる方もたくさんいらっしゃいます。矯正治療を受けた後は、長年のコンプレックスが解消され、笑顔に自信が持てたとおっしゃる方も多いです。

矯正治療は見た目だけを改善するのではありません。
歯並びに問題があると、虫歯や歯周病のリスクが高く、歯の寿命を縮めてしまうこともあります。またきちんと磨けていない歯は、口臭トラブルも発生します。
矯正治療はそのような口腔内の衛生状況も改善が期待できます。

また、咬み合わせが悪いと顎関節症の原因となり、肩こりなどを引き起こすことがあります。

大人になってから始める矯正治療

矯正治療を始めるタイミング

子どもの矯正治療は、歯並びやあごの状態、歯の生え変わり時期など成長過程によって治療を始める時期・タイミングが重要になります。
一方で、大人の矯正治療はいつからでも始めることができます。

新型コロナウイルス感染対策でのマスク着用が増えて以来、マスクで矯正治療中を隠し他人に気づかれにくいため、大人の矯正治療の相談が増えています。

  • 長年の見た目の悩みを解消したくなったとき
  • 婚活や就活が本格的に始まる前に
  • 子どもの矯正治療と一緒に
  • 子育てが一段落、時間とお金が使えるとき

大人の矯正治療を始めるタイミングはさまざまです。いつまでに終わらせたいか、を相談をする際に考えておくとよいでしょう。

歯列矯正の年齢

「矯正治療って何歳までできるのですか?」というご質問をよくいただきます。
そこでお答えしているのは、

「歯の周りの歯周組織が健全であれば、何歳でも矯正治療は可能」です。

当院で治療を受けられた最高齢の方は62歳です。まずは無料カウンセリングで歯の状態を見せていただければと思います。

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大人の矯正治療 メリットとデメリット

メリット

  • 見た目がよくなり長年のコンプレックスが解消される。
  • 歯磨きがしやすくなり歯周病や虫歯が予防しやすくなる
  • 咬みあわせが正しくなりしっかりと食べられる
  • 歯やあごへの過度な負担を減らすことができ歯を長持ちさせられる
  • 歯の隙間が無くなり発音がしやすくなる など

デメリット

  • 治療に時間がかかる
  • 矯正治療中は虫歯にかかりやすくなるため定期的なケアが必要
  • 見えない矯正装置の場合は費用が通常よりもかかる

歯列矯正治療の種類

矯正治療にはさまざまな方法と矯正器具の種類があります。

3つの代表的な矯正治療の方法と器具

表側矯正治療

表側矯正治療とは、歯の表側にマルチブラケットをワイヤーで取り付けて歯を動かしていく治療法です。
最近では金属製だけでなく、目立たない白色や透明色のセラミック製・プラスチック製のブラケットも人気です。

裏側矯正治療(舌側矯正)

裏側矯正治療とは、歯の裏側(舌側)に矯正装置を取り付けて歯を動かしていく、目立たない治療法です。
外から見える上の歯は裏側に、下の歯は表側に装置を取り付ける方法もあります。

マウスピース型矯正

マウスピース型矯正とは、ブラケット(ワイヤー)を使わない目立たない矯正治療法です。軽度な歯並びの矯正治療として症例数が増えています。
当院ではインビザライン・システムを使用しています。

歯科矯正用アンカースクリューを用いた矯正治療

歯科矯正用アンカースクリューを用いた矯正治療は、人体に馴染みやすいチタンを使って矯正用に作られたインプラント(スクリューやプレート)を歯の周囲の骨に埋め込み、インプラントを固定源として使用して歯を動かす方法です。

歯を喪失したときや歯の本数が足りないときなどに差し歯として用いる歯科用のデンタルインプラントと、歯科矯正用アンカースクリューとはまったく別物で別の目的で使用されます。

歯科矯正用アンカースクリューを併用して矯正治療を行うことにより、従来のマルチブラケット・ワイヤー矯正治療(表側矯正・裏側矯正)やマウスピース型矯正だけでは難しい歯の移動が可能になります。

マルチブラケット・ワイヤー矯正だけでは歯の移動が困難な難症例では、「歯科矯正用アンカースクリュー」「ヘッドギア装着」で対応します。
ヘッドギアは古くから行われている矯正装置ですが、患者さまご自身できちんと装着をする必要があり、患者さまのご協力が得られない場合は理想的な歯の移動が行われません。一方で、歯科矯正用アンカースクリューは患者さまご自身で装着する必要がないため、患者さまの負担が減り治療期間の短縮につながります。

重度のガミースマイルなど外科矯正治療が必要な難症例の場合でも、歯科矯正用アンカースクリューを併用することで、手術なしでの治療ができたり、手術を行った場合でも手術時の歯の移動量を減らせます。また抜歯をしない矯正治療の幅も広がり、患者さまの身体へのダメージを軽減できます。

外科矯正治療

外科矯正治療とは、上下の顎の大きさや位置に問題があり従来の矯正治療だけでは治せない症例の場合、外科手術を併用して矯正治療を行うことを言います。
たとえば「受け口で下の顎が前に大きく出ている」「顎が大きく横にずれている」など顎変形症や、歯肉切除が必要な重度のガミースマイルなどは、外科手術を併用して矯正治療を行います。顎変形症では「上顎骨切り術」「下顎骨切り術」「歯槽骨切り術」「オトガイ形成術」などの手術術式が行われます。

外科手術だけではしっかりとした咬み合わせを得ることはできませんが、最初から外科手術を前提に矯正治療をし、手術の後にも細かい咬み合わせを整えることにより、口元や顔の輪郭など見た目を改善できるだけでなく、歯並びがよくなり理想的な咬み合わせを得られます。

外科矯正治療が必要な症例に該当すると診断した患者さまは、認可を受けた顎口腔機能診断施設(※)での矯正治療であれば健康保険が適用されます。使用する装置は一部制限がありますが、患者さまの費用負担は通常の矯正治療(自費)の3分の2ぐらいですみます。治療期間は1年半から2年半くらいです。

(※)顎口腔機能診断施設とは

顎口腔機能診断が可能な施設であり、口腔外科医と連携を取りながら手術にともなう矯正治療を行える経験と技術を持つ歯科医師が常勤でおり、それらに必要な設備(レントゲン、顎運動計測器、筋電計)を整えた医療機関(施設)です。

当院は顎口腔機能診断施設の認可を受けています。

矯正治療は歯を移動させることで噛み合わせをよくするために行われます。
最適な矯正治療の方法や選ぶ装置、治療の進行度合いは、年齢や骨やあごの状態など個人差があります。そのため矯正治療において豊富な経験と高度な専門的知識、しっかりとした診断を行うために必要な検査ができる医療設備が必要です。

ささくら矯正歯科クリニックは、公益社団法人日本矯正歯科学会認定医・指導医・臨床指導医である医師が診療を行っています。
甲北信越矯正歯科学会にも所属しており、地元・新潟県で学術研究、矯正臨床、情報交換を行っているため、最新の情報を常に持ち合わせています。
精密な検査と患者さまの習慣や、いつまでに治療を終わらせたいか等のご要望などをしっかりとお聞きしたうえで、大人の患者さまにとって最適な治療法は何かを考えご提案いたします。